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 地域資源紹介

八丈フルーツレモン

八丈フルーツレモン

■指定されている場所:八丈町

八丈島で古くから栽培されるレモンに「島レモン」とも呼ばれる「菊池レモン」があります。「菊池レモン」とは、1940(昭和15)年に菊池雄二氏によりテニアン島※から八丈島へ持ち込まれたレモンで,マイヤーレモンの系統と考えられています。一般的なレモンと比べ、酸味がまろやかでさわやかな香りがあるのが特色です。この菊池レモンを「樹上完熟」(木になったまま完熟)させた黄色いレモンのことを、八丈島では新たなブランド名「八丈フルーツレモン」として出荷しています。八丈フルーツレモンは、果皮の色が黄色からオレンジ色で、重さは200g~400gと大玉で、日本に多く輸入されている一般的なレモンの約3倍もあります(「サンキスト」のブランド名で輸入されている「リスボン」の果実の重さは100~140gです)。

※テニアン島は、ミクロネシアの北マリアナ諸島の島の一つ。小笠原諸島からテニアン島までの距離はおよそ1400km。近くにはグアム島があります。


八丈フルーツレモンの開発

八丈フルーツレモン

八丈島では、戦前に導入されてから、菊池レモンは主に露地栽培されてきました。しかし、八丈島は強風や塩害などがあり、レモンの生産には困難さが伴っていました。そこで、東京都島しょ農林水産総合センターでは、レモンをハウスで栽培することによって悪天候の影響を軽減し、灌水方法などを工夫し土壌水分を適切に管理することによって良質な果実を安定的に生産する方法を確立しました。JA東京島しょが名称を公募し、新たに「八丈フルーツレモン」として、2014(平成26)年から販売しています。


八丈フルーツレモンの果皮

八丈フルーツレモン

レモンの果皮の白い部分のことを「アルベド」ないしは「中果皮」といいます。ここには、「リモノイド」という苦み成分が含まれています。「八丈フルーツレモン」は樹上完熟させることで、アルベドの部分に含まれる糖分が増え(糖度8度)、ほんのり甘くなるために果皮を食べても苦みを感じません。また水やりを工夫することによって、アルベドが厚くてふわふわした食感のよい果皮となっています。


八丈フルーツレモンの料理

八丈フルーツレモンは、大きい物は一つ400gにも達し、主に島民が購入して島外の人へ贈る「ギフト用」に利用されています。果汁を取ることもできますが、アルベドがおいしいために、まるごと料理することができます。ジャムやマーマレードのほか様々なデザートの材料に用いたり、サラダや肉料理に加えてさっぱりとした風味を添えることもできます。また八丈島の小学校では、給食に八丈フルーツレモンを用いた献立(八丈フルーツレモンゼリーや、八丈フルーツレモンとキャベツのホットサラダ、さつまいもと八丈フルーツレモンの肉巻き等々)が提供されています。


マイヤーレモンとは

八丈フルーツレモン

「マイヤーレモン」Citrus meyerii)は、通常のレモン(Citrus limon)と同様にミカン科ミカン属(カンキツ属)に属する植物です。中国原産で、レモンとオレンジの自然交配によってできたものと考えられています。

八丈フルーツレモン

アメリカ農務省の要請で中国、モンゴル、朝鮮、チベットを訪問して有用な植物を収集したプラントハンターであるフランク・ニコラス・マイヤー(Frank Nicholas Meyer)が発見し、1908(明治41)年にアメリカに送りました。彼の名をとってマイヤーレモンという名が付いています。

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