
オレンジ色が鮮やかな清瀬市のにんじん
■指定されている場所: 清瀬市
清瀬市は面積の約18%を農地が占めています。特に関東ローム層の黒土が深いことから、にんじんやごぼう、大根、里芋などの根菜類の栽培に適し、古くから都内有数の産地となってきました。にんじん栽培が盛んになったのは昭和30年代からとされ、現在は半数以上の農家がにんじんを生産し、作付け面積、生産量ともに東京都で第1位の生産地になっています。

収穫間近のにんじん畑
清瀬市では2000(平成12)年頃より、清瀬商工会と行政が中心となり、にんじんを使った「きよせにんじんジャム」や「清瀬にんじん焼酎・君暮らす街」などの特産品づくりが行われ、清瀬産にんじんのブランド化が進められました。
平成21(2009)年には生産者やJA東京みらい、清瀬商工会の協力のもとで「清瀬キャロットプロジェクト」が始動し、「東京都地域中小企業応援ファンド」事業にも採択され、3年間にわたり様々な取り組みが展開されました。

かわいらしいにんじんキャラクター「ニンニンくん」
キャラクターコンテストもその1つです。日本全国からにんじんをイメージしたキャラクターを募集し、洋食・和食・中華などさまざまな料理に姿を変えるにんじんを忍者に見立て、にんじん忍者「ニンニンくん」が誕生しました。ニンニンくんはその後、清瀬市の公式キャラクターとなり、市のPRに活用されています。
清瀬商工会やJA東京みらい、行政が主体となって始まった特産品づくりですが、その後は市内事業者や清瀬市観光協会などが新たに商品開発に取り組み、清瀬産にんじんを使った特産品はさらに広がりを見せています。

清瀬市では、市内の市立小・中学校の給食ににんじんを使ったメニューの提供や、にんじんについて学ぶ特別講義の機会などを設け、子どもたちへの食育学習にも力を入れています。
そのひとつが「ニンニンパン® 」です。地場産物を活用した給食メニューづくりを検討する中で、市内の福祉作業所が食材をパウダーにして商品化している取組に着目し、出荷されない規格外のにんじんのパウダーを生地に練り込んだパンが誕生しました。2023(令和5)年度から年1回提供されています。名称は子どもたちの投票で決まりました。
また、生産者による講話や収穫体験、地場野菜を使った給食メニューの考案など、子どもたちが地域農業と直接触れ合う取組も行われています。清瀬市では、地域と連携しながら、食を通じて学びを深める環境づくりが進められています。
清瀬産にんじんは、農産物としてだけでなく、さまざまな関連商品へと広がりを見せています。
市内の福祉作業所で製造されているにんじんパウダーは、給食の「ニンニンパン®」に活用されているほか、市内のパン店でも商品づくりに活かされています。また、にんじんをペースト状にして生地に練り込んだカヌレを、市内の事業者が販売しています。
清瀬市観光協会による連携商品も展開されています。銚子電鉄との連携で誕生した「きよせ棒」は、清瀬産にんじんとごぼうを使用した、きんぴらごぼう味のスナック菓子として販売されています。また、ゴーゴーカレーとの共同企画により、清瀬産にんじんを使用したレトルトカレー「キヨセゴーゴーカレー」も商品化されています。さらに、市内のコンビニエンスストアなどでは、清瀬産のにんじんととうもろこしを具材に使った「清瀬まん」も取り扱われています。
このほか、清瀬市の取組として清瀬産にんじんを使用した防災備蓄用カレーリゾットを開発・製造し、市内避難所で備蓄しているほか、一般向けにも発売しています。
これら関連商品の一部は、ふるさと納税の返礼品として取り扱われることもあります。
清瀬産にんじんは、農産物としての魅力にとどまらず、地域の人や企業をつなぐ素材として、多様なかたちへと展開を続けています。

「きよせ棒」と「キヨセゴーゴーカレー」